腰痛

腰痛が起こる原因には、さまざまなことが考えられます。
日常の習慣が原因になっている場合もあれば、病気やケガの場合もあります。
あなたの腰痛の根本の原因を探ってみましょう。

 

【腰痛の原因】

●不良姿勢

姿勢が悪いと上半身を支える腰に大きな負担がかかるといわれています。
負担が蓄積されると腰まわりの筋肉が疲労してしまい、腰痛につながります。

●腸内環境が悪い

大腸まわりの筋肉は腰に近いため、腸内環境が悪いと腰痛が生じることがあります。
便秘や下痢など腸内環境が悪いと、大腸まわりの筋肉や筋膜に癒着が生じ、腰痛が現れると考えられています。

●運動、ストレッチ不足

運動やストレッチが不足していると、腰まわりの柔軟性が低下する場合があります。
柔軟性が低下すると腰にかかる負担が大きくなり、日常の動作でも過剰な負担になってしまい、腰痛につながります。

●ストレス

自律神経は内臓機能や循環器をコントロールする役割があり、ストレスがあると自律神経に乱れが生じるといわれています。
ストレスを感じると交感神経が優位になるため、腸内環境が悪化してしまい、腰痛が起こりやすくなります。
また、血流不良が起こる場合もあるため、筋肉が硬くなりやすいことによって腰痛につながります。

●栄養不足

腰には日常的に負荷がかかっていますが、疲労は栄養によって回復されると考えられています。
しかし、栄養が不足していると疲労が回復されずに蓄積されていき、腰痛が起こる可能性があります。

●病気やケガの場合

病気やケガが原因で腰痛が症状として現れることがあります。
腰痛をともなう病気やケガは、次のものが挙げられます。

・腰椎椎間板ヘルニア
腰の骨と骨の間にある椎間板のなかの髄核という組織が飛び出してきてしまい、近くの神経を圧迫する病気です。
加齢による腰椎の変形や、日常生活やスポーツによる腰への負荷などが原因で生じます。

・腰椎椎間関節症
腰の椎間板が痛んでしまい、腰まわりの靭帯や筋肉に負荷がかかることで生じる腰痛です。
加齢によって椎間板の安定性が悪くなることが原因で生じるといわれています。

・腰部脊柱管狭窄症
背骨から腰にある脊柱管という神経の通り道が狭まり、神経を圧迫する病気です。
加齢による骨の変形が原因で発症するため、中高年以降に発症する方が多い傾向にあります。

・脊椎分離症、すべり症
腰の椎間関節が分離してしまう状態を脊椎分離症、ズレが生じる状態をすべり症と呼びます。
成長期にスポーツで腰に繰り返し負担がかかって発症することが多いといわれています。

腰痛といっても、すべてが同じ症状ではないと考えられています。
腰痛が生じる動作によって問題のある場所がわかることがあります。

また、腰痛にともないほかの不調症状が現れることもあるため、腰痛の症状の特徴と腰痛にともない生じる症状をあわせてご紹介します。

 

【腰痛の症状】

●前かがみで腰が痛む

前かがみの姿勢になったときに腰に痛みが生じることがあります。
この場合、背中側に問題があることが多いといわれています。
お尻や太ももの裏側、ふくらはぎが硬くなり、神経を圧迫して腰痛につながります。

●後屈で腰が痛む

後屈の姿勢になったときに腰に痛みが生じることがあります。
この場合、お腹や首に問題があることが多いといわれています。

●坐骨神経痛

お尻から足の先までつながる坐骨神経が圧迫されると、坐骨神経痛が生じる可能性があります。
神経が圧迫される場所によって症状の現れる部位は異なりますが、お尻や太ももの裏側、ふくらはぎなどに痛みやしびれ症状が現れます。

腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の場合に坐骨神経痛が生じることが多いといわれています。
また、腰からお尻まわりの筋肉が硬くなっているときにも生じることがあります。

腰痛があると、長時間座ることや歩くことがつらくなる可能性があります。
少しでも腰痛を緩和させるために、次の方法で対処しましょう。

 

【腰痛の対処法】

●腰を温める

腰まわりを温めると、血行が促進されて筋緊張の緩和が期待できます。
そのため、腰痛の緩和にもつながります。

入浴して腰まわりをしっかりと温めましょう。
日常生活のなかでは腰まわりを冷やさないように、薄着を避けて腹巻を巻くといった対策もおすすめです。

●お尻のストレッチをする

お尻は普段動かさないことが多い部分なので、お尻の筋肉が硬くなっていて腰痛になる場合もあります。
とくにデスクワークや運転などで長時間座ることが多いと、お尻の筋肉が硬くなって腰痛につながります。
お尻のストレッチや筋トレをして筋肉をほぐすと、腰痛の緩和が期待できます。

・お尻のストレッチ法
①椅子に座り、右の太ももの上に左足を乗せる。
②ゆっくりと身体を前に倒していき、お尻の筋肉がのびていると感じる姿勢で10秒ほどキープする。
③ゆっくり元の姿勢に戻り、足を入れかえて同様に行う。

・お尻の筋トレ法（スクワット）
①足を肩幅に広げ、足先は軽く外側に開く。両手は胸の前で組む。
②背筋は伸ばしたまま腰を落としていく。
③ゆっくりと元の位置に戻す。

慣れたら少しずつ回数を増やしていきましょう。

●痛みが強いときは安静にする

腰の痛みが強いときは、無理せずに安静にしましょう。
無理に動いてしまうと悪化する場合があります。
強い痛みが続くようであれば、ぎっくり腰の可能性もあるため、鍼灸院で状態を確認してもらいましょう。

腰痛は改善しても、繰り返し発症することが多い傾向にあります。
つらい腰痛を繰り返さないためにも、日頃から予防を心がけましょう。

 

【腰痛の予防法】

●ストレッチを習慣化する

腰やお尻の筋肉が硬くなると、腰痛が起こりやすくなります。
日頃からストレッチを行い、柔軟性を維持するようにしましょう。

・腰のストレッチ法
①仰向けに寝て、左足を右足の上に交差させる。
②左手を肩の高さに伸ばし、顔を左側に向けて30秒キープする。
③反対側も同様に行う。

・お尻のストレッチ法
①床に座り、左足を曲げてすね部分を床につける。
②両手を床につき、右足をゆっくりまうしろに伸ばす。
③上体をゆっくり前に倒し、お尻の右側の筋肉が伸びている姿勢で20秒キープする。
④反対側も同様に行う。

●呼吸を深くする

呼吸を深くすると、リラックスして副交感神経を優位にすることが期待できます。
自律神経が整い、血流不良の改善から腰痛の予防につながります。

●生活習慣の乱れを改善する

日頃の腰への負荷による筋肉の疲労は、栄養や睡眠によって回復されると考えられています。
そのため、栄養や睡眠が不足すると、疲労が回復できずに腰痛を発症する可能性があります。
夜更かしや寝不足は避け、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。

●姿勢を正す

姿勢が悪いと腰にかかる負担が大きくなり、腰痛を発症する場合があります。
日頃から姿勢を正すことを心がけましょう。
背筋を伸ばし、頭が前に倒れてしまわないようにして顎を少し引くと、正しい姿勢の維持が期待できます。

当院では、まず腰痛の症状の検査を行い、「原因になっている筋肉」や「しびれの有無」、「悪化する姿勢と楽になる姿勢」などを確認します。

当院に来院される患者様の多くは、次のような症状を抱えていらっしゃいます。

・筋筋膜性腰痛
・腰椎椎間板ヘルニア
・脊柱管狭窄症
・変形性腰椎症
・坐骨神経痛
・腰椎分離症

なかには難病指定の後縦靭帯骨化症の方もいらっしゃいます。

検査後に、当院で対応可能な症状には、徒手療法または鍼灸施術を行います。
痛みが強い場合にはハイボルトも使用します。

そして、施術後はストレッチや運動のアドバイスと、その動画を共有し、患者様のご自宅でもセルフケアを行えるようにします。

場合によっては施術ではなく、まずしかるべき医療機関での受診をおすすめしています。