産前産後の
お悩み

産前産後の不調が起こる原因は、ホルモンバランスが乱れるからだと考える方も多いのではないでしょうか。
ホルモンバランスも原因のひとつですが、日常の習慣や体質なども関係しています。
産前産後の不調が起こる原因についてみていきましょう。

 

【産前産後のお悩みの原因】

●腰痛がある場合

産前産後には、腰痛に悩まされる方が多いといわれています。
腰痛が起こる原因には次のことが考えられます。

・骨盤が弱い
妊娠をすると出産に向けて骨盤が徐々に開いていき、出産をすると自然と閉じていきます。
骨盤まわりを支える筋力が弱いと、こうした動きで痛みが生じやすくなります。
もともとの体質もありますが、運動不足や不良姿勢などが原因で骨盤まわりの筋力の低下が生じる可能性があります。

・栄養不足
赤ちゃんは成長するために、母体から栄養を吸収します。
そのため、母体は栄養が不足しやすい状態です。
栄養が不足すると、日常的にかかる腰への負担が回復されず、ダメージが蓄積されて痛みが生じやすくなります。

●ホルモンバランスの乱れ

女性は妊娠から出産にむけてホルモンバランスが急激に変化するといわれています。
妊娠すると女性ホルモンの分泌が急増しますが、出産すると分泌量が急激に減少します。

また、ホルモンをつくる栄養が足りていないとバランスが乱れやすくなります。
女性ホルモンには痛みを抑える作用があるため、バランスが崩れると痛みに敏感になりやすいことが不調を引き起こす原因と考えられています。

●運動不足

産前産後には、安静にしなければいけないと考えて運動不足になる方もいます。
動くことが減ってしまうと筋肉が動かされないため、血流の循環が悪くなるといわれています。
そのため、筋緊張や内臓機能の低下などさまざまな不調につながります。

産前産後には、原因のわからないさまざまな不調が生じるといわれています。
次のような症状は、産前産後に起こりやすい不調症状です。

 

【産前産後のお悩みの症状】

●腰痛

妊娠中は赤ちゃんの成長とともにお腹が重くなり、腰で支えるようになるため腰痛が起こりやすくなります。
妊娠中の姿勢がくせになることや、子育てによる腰への負荷が原因で産後にも腰痛が続くことがあります。
また、産前産後はホルモンバランスが乱れて痛みを感じやすいため、腰痛も感じやすいといわれています。

●股関節痛

産前産後には骨盤が変化しますが、股関節は骨盤と連動しているため産前産後に影響を受けやすい部位です。
出産に向けて骨盤が開くときや産後に骨盤が閉じるときにゆがみが生じると、股関節が不安定になってしまい、痛みにつながります。

●腱鞘炎・顎関節症

ホルモンバランスが乱れると関節や腱をスムーズに動かしにくくなることや、炎症が起こりやすくなることが影響し、腱鞘炎や顎関節症が起こる可能性があります。
とくに産後は慣れない子育てで手首にかかる負担が大きくなるため腱鞘炎が起こりやすいといわれています。

●産前産後うつ

産前産後うつは、気分の落ち込みやイライラ、不安などの症状が現れる傾向にあります。
ホルモンバランスの乱れが自律神経に影響を与え、自律神経が乱れて産前産後うつにつながります。
また、産後は慣れない子育てでストレスを感じることも自律神経を乱す原因とされています。

●足底筋膜炎

足底筋膜炎とは、足の指からかかとに張られた筋膜に炎症が起こる病気です。
とくにかかと周辺に痛みが現れやすいといわれています。
妊娠するとお腹を支えるためにガニ股歩きになるため、足の指がうまくつかえずに足底筋膜炎が起こると考えられています。

●アキレス腱炎

アキレス腱炎は、アキレス腱に炎症が起こって痛みをともなう状態です。
妊娠中は体重が増えてアキレス腱に普段よりも負荷がかかりやすく、ホルモンバランスの影響で炎症が起こりやすいことが原因で発症につながります。

産前産後のつらい症状は、対処することで緩和が期待できます。
そのまま放置せず、日常で行える対処法で症状の緩和を目指しましょう。

 

【産前産後のお悩みの対処法】

●ウォーキングをする

産前産後は運動不足になりやすく、運動不足がさまざまな不調を引き起こす可能性があります。
身体に負担の少ない適度な運動で、血行を促しましょう。

ウォーキングは産前産後におすすめの運動です。
ただし、体調をみながら無理のない範囲で行うことが重要です。

●栄養のあるものを補給する

産前産後は栄養が不足してしまいがちと考えられています。
栄養不足がホルモンバランスの乱れや疲れにつながります。
次のような栄養のあるものを補給するようにしましょう。

・産前産後に必要な栄養
産前産後には、タンパク質・鉄分・葉酸・ビタミンB群が不足してしまうことが多いといわれています。
産前はつわりで食欲が低下することもありますが、できる範囲内で食事やサプリメントから栄養を補給しましょう。

・産後に必要な栄養
産後は体力やホルモンの分泌が低下する傾向にあります。
マグネシウム・カルシウム・ビタミンDを積極的に補給しましょう。

●ストレスを溜めこまない

ストレスが溜まると、自律神経が乱れてさまざまな不調が生じる可能性があります。
妊娠中は体調が変化しやすいことや、身体が思うように動かせないことでストレスを感じ、産後は慣れない子育てにストレスを感じやすくなります。
趣味を持つ、ストレッチを行うなど自分なりのストレス発散法を探し、ストレスを溜めこまないようにしましょう。

産前産後のお悩みは日頃から予防を心がけておけば、症状を未然に防ぐことが期待できます。
快適な妊娠ライフや産後ライフを過ごすためにも、つらい症状が現れないように予防を行いましょう。

 

【産前産後のお悩みの予防法】

●人と話すようにする

産前産後は妊娠や子育てのことで不安なことが多く増える傾向にあります。
こうした不安を抱えるとストレスが蓄積され、自律神経が乱れるため不調症状につながります。
人に話す機会をつくるだけでも不安の解消が期待できます。
悩みを相談できる方を増やし、体調で不安なことがある場合は医療機関に相談しましょう。

●栄養をしっかりとる

栄養が不足するとホルモンバランスの乱れから不調症状が起こりやすくなります。
また、身体がダメージを受けても、栄養が足りなければ、なかなか回復することができないといわれています。
食生活のバランスを考え、しっかりと栄養をとることを意識しましょう。

●運動をする

産前産後は運動不足になりやすく、そこから不調症状につながります。
体調が悪いときに無理して運動をする必要はありませんが、動けるときは運動することを心がけましょう。
ウォーキングや妊婦ヨガなど身体に負担の少ない運動がおすすめです。

当院では、まず産前の場合は産婦人科の担当医と配偶者や家族の同意があるかの確認をとらせていただきます。
これは妊娠中の万が一のトラブルを避けるためです。

確認がとれましたら、産前の場合は徒手療法かお灸、産後の場合は骨盤矯正を含めた徒手療法や鍼灸施術を行い、産前産後のさまざまな症状の緩和を目指します。

産前産後の症状は個人差が大きく、また多岐に渡るため、患者様お一人おひとりにあった施術をしっかりと話し合いながら、施術計画を立てていきます。

施術後は患者様のご自宅で行えるセルフケアと生活習慣のアドバイスをさせていただきます。
とくに栄養状態の改善によって、症状の緩和が期待できるため徹底して行います。