鍼灸

鍼施術は、東洋医学の考えにもとづく施術です。
西洋医学では症状に対してアプローチを行いますが、東洋医学は身体の内側のバランスを整えて症状の解消を目指すアプローチ方法です。

鍼の施術の特徴と、当院の鍼施術のメニュー内容についてご紹介します。

 

【鍼とは】

人間の身体には気（エネルギー）・血（血液）・水（水分）が流れていて、この気・血・水のバランスが崩れることが不調につながると考えらえています。
気・血・水の通り道を「経路（ツボ）」と呼び、その各所には経穴があります。

鍼施術では経路や経穴を専用の鍼で刺激を与え、気・血・水の流れを促して不調を整えていきます。
また、鍼の刺激は緊張した筋肉をほぐす作用や、痛みの神経伝達をブロックする作用も期待できます。

 

【鍼施術のメニュー内容】

当院の鍼施術では、専用の鍼とかっさを使用して施術を行います。
大人の方だけではなくお子様も鍼施術を受けていただけるよう、小児鍼にも対応しています。

当院で使用している鍼はすべて使い捨ての鍼を使用しているため衛生面でも安心です。
鍼施術で使用する器具は次のとおりです。

●貼る鍼

当院では、鍼が苦手な方でも安心して施術を受けやすい貼る鍼を使用しています。
貼る鍼は、通常の鍼施術でつかわれる鍼よりも非常に短い鍼です。
皮膚へ浅く刺した状態のままシールで固定され、貼った状態のまま過ごすことができます。

●小児鍼

お子様の場合は、ローラー鍼という器具を使用します。
コロコロローラーに非常に短い鍼がついた器具になっていて、痛みはほとんど感じられないためお子様でも安心して施術を受けていただけます。

●かっさ

かっさとは、専用のプレート状のアイテムです。
皮膚の上を滑らせ、経路や経穴を刺激して気・血・水の流れを促します。
鍼ではないので先端恐怖症の方も使用できるという特徴があります。

お灸も鍼施術と同様に、東洋医学の考えにもとづいた施術です。
そのため、身体の気・血・水の流れを整えて不調症状の解消を目指します。
お灸の施術の特徴や、メニュー内容についてみていきましょう。

 

【お灸とは】

お灸の施術では、鍼施術と同様に経路や経穴の上にお灸を置きます。
そして、お灸を燃焼させ、熱刺激を与えることで気・血・水の流れを促していきます。

気・血・水の流れを促すという点では鍼施術と同じですが、お灸は身体を内側から温められるというメリットがあります。
また、鍼が苦手という方でも施術を受けやすいと考えられます。

お灸では艾（もぐさ）というヨモギの葉の綿毛から生成されたものを燃焼しますが、やけどするような熱さではありません。
心地よく身体が内側からじんわりと温かくなる効果が期待できます。

 

【お灸のメニュー内容】

お灸には、直接灸と間接灸の2種類があります。
直接灸は皮膚の上に直接お灸を置く方法ですが、間接灸では間に台を挟んでお灸を置く方法です。
当院では、間接灸の種類のひとつである「せんねん灸」を使用しています。

●せんねん灸

せんねん灸は、皮膚とお灸の間に台座を挟んで艾を置くお灸です。
そのため、燃焼による熱刺激が肌に直接伝わらず、やけどの心配なく施術を受けることができます。
じんわりと温かさを感じながら施術を受けられるため、リラックス効果も見込めます。

鍼灸の施術は、鍼やお灸で経路や経穴を刺激して気・血・水の流れを促します。
この施術により、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。

 

【鍼灸の効果】

●血流改善

鍼やお灸で経路や経穴に刺激を与えると、滞っていた血流を促すことが期待できます。
また、鍼の刺激や熱刺激で筋肉の緊張がほぐれることも血流の改善につながります。

血流が悪くなると身体のさまざまな機能が低下して不調が生じるため、血流改善によってさまざまな不調の改善も見込めます。

●自律神経の調整

鍼やお灸の施術には、自律神経の乱れを整える効果も期待できます。
鍼灸の施術では神経の近くを通る血流を改善し、交感神経をゆるめるといわれています。
副交感神経が活性化するため身体も脳もリラックス状態になり、神経バランスが整いやすくなります。

●免疫力の賦活化

鍼やお灸で血流が促されると、全身に免疫細胞である白血球が行き届いて活性化すると考えられています。
そのため、免疫力を高めることが期待できます。
また、自律神経が整うと免疫細胞のコントロール調整がうまくいくようになることも、免疫力の賦活化につながります。

●筋緊張の緩和

日常生活の負担や運動不足、加齢が原因で、筋肉は緊張して硬くなる可能性があります。
筋緊張は肩こりや腰痛などを引き起こす原因のひとつです。

鍼やお灸の刺激を筋肉に与えると、緊張の緩和が見込めます。
そのため、筋緊張が原因で生じていた不調症状の緩和や改善につながります。

●鎮痛効果

鍼には、鎮痛効果があるといわれています。
鍼を打つことで痛みを脳に伝える神経通路をブロックし、痛みを感じにくくする効果が期待できます。

鍼灸の施術では、身体のさまざまな不調の改善が期待できます。
鍼灸で気・血・水を促し、不調症状の緩和・改善を目指しましょう。

 

【鍼灸で改善が期待できる症状】

●腰痛、肩こり

鍼灸の刺激を与えると、緊張している筋肉をほぐすことができるといわれています。
腰痛や肩こりなどの慢性的な痛みやこりは、筋肉が緊張して生じています。
そのため、鍼灸の施術では肩こりや腰痛の緩和・改善が期待できます。

●ぎっくり腰

鍼の施術で痛みを脳へ伝える神経をブロックすると、ぎっくり腰のつらい痛みの緩和が期待できます。
また、ぎっくり腰の痛みが緩和されている時期には、筋肉が拘縮するといわれています。
鍼灸で筋肉をほぐすと、早期改善や動かしにくさの解消を目指せます。

●冷え、むくみ

鍼灸では血流を促すため、全身に血液が行き届く効果も見込めます。
そのため、冷えやむくみの緩和や改善が期待できます。
とくにお灸では身体の内側から温めることができるため、冷えにお悩みの方はおすすめです。

●自律神経失調症

鍼灸では血流を促し、自律神経の乱れを整えるといわれています。
自律神経のバランスが整うと、自律神経の乱れによって生じていた自律神経失調症の緩和や改善につながります。

●夜泣き・癇癪持ち・発達障害

自律神経が未発達のお子様は自律神経が乱れやすく、夜泣きや癇癪持ちを起こす可能性があります。
小児鍼では自律神経を整えてリラックスさせることで、夜泣き・癇癪持ちを緩和させます。
また、血流を促して身体に栄養や酸素を行き渡らせるようにして、夜泣き・癇癪持ち・発達障害などお子様のお悩みにアプローチします。

●スポーツ障害の早期改善

鍼灸で気・血・水のバランスを整えると、人間が本来持っている自然治癒力を高める効果が期待できます。
そのため、スポーツ障害の早期改善につながると考えられます。

当院では、西洋医学をメインに東洋医学の考え方を組み合わせた鍼灸施術を行います。

鍼の効果は、疼痛の緩和、筋肉の緊張緩和、免疫力の向上、血流改善などが挙げられます。
お灸の効果は、温熱効果、リラクゼーション、免疫力向上などが考えられます。

鍼は皮膚、筋肉、神経を身体の中から刺激し、お灸は感覚の敏感な皮膚の表面を局所的に刺激していきます。
この刺激は身体に小さな傷をつくる侵害刺激です。
侵害刺激によって身体は傷を治そうという抵抗力が高まり、血流の促進や代謝の向上を図ることで各種症状を改善させていきます。

ほかにも鍼を電極につないで通電するパルス鍼があります。
お子様や注射が極端に苦手な方などに行う、小児鍼を含む多数の施術法を用いて、患者様個人にあった効果的な施術を行います。

おもに鍼灸施術の対象となる症状は次のとおりです。

・全身のこりや疲れ
・肩や首、腰、股関節、膝などの痛み
・ヘルニアや脊柱管狭窄症、坐骨神経痛などの痛みをともなう神経症状
・帯状疱疹や肋間神経痛、顔面神経麻痺などの神経症状
・自律神経といった神経系からくる不調
・眼精疲労や冷え性、むくみ
・原因不明で口で悦明しにくい症状

人によってはあわないことがあるように、鍼灸にもあうあわないの個人差があります。
患者様の性格や体質、病気の有無など多岐に渡りますので、くわしくはお問い合わせください。